仮想通貨における問題とは?:一般的な論点を一挙解説!

前回の記事で、仮想通貨とは一体どういったものなのかについて紹介しました。

大手金融メディアをはじめとして、さまざまな話題が取り上げられる仮想通貨ですが、その論点は多岐にわたります。価格変動の激しさ(ボラティリティー)や価値の保証、ハッキング事件などに関わるセキュリティ問題等々。今回は、そういった仮想通貨に関する一般的に指摘される論点を整理し、そのポイントを解説します。

仮想通貨が乗り越えるべき5つの論点

ビットコインをはじめとする仮想通貨が社会的に認められ、将来的に実用化される為には乗り越えなければならない問題がいくつかあります。

過度なボラティリティーの高さ

ボラティリティー(Volatility)とは、日本語で予想変動率を意味し、ある資産の価値変動の激しさを表す指標のことです。

仮想通貨も株価などと同様に、マーケットは需要と供給により価格が変動しており、ストップ高やストップ安がありません。また、法定通貨における国および中央銀行のような中央管理者が存在せず、本質的な価値が認められない場合が多く、価値を測るのが困難な資産となっています。

機関投資家などの組織運用の動きはあまり見られず、明確な規制の上で取引されているとは言いがたい発展途上な市場と言えます。ファンダメンタル的な基盤が確立されておらず、投資家はメディアの情報を頼りに仮想通貨売買の意思決定を行うことが多くなりがちです。

結果として、ささいなニュースや相場の変動をきっかけとし、暴騰・暴落が起きることがあり、仮想通貨市場は不安定でボラティリティーが非常に高い(価格変動が非常に大きい)、相応にリスクが大きい投資と言えるでしょう。

価値の保証が明確ではない

仮想通貨の多くは、非中央集権を掲げながら分散化された管理体制を標榜しています。発行体によるデータの一元管理や市場の価格操作などを行わずに、プロジェクトの興隆による自然な需要と供給によるマーケットメイクを目指す傾向が強いと言えます。

一方、日本円や米ドルなどの法定通貨は国および中央銀行の方針によって、金融政策を実施することで市場に介入を行うことがあります。しかし、こういった動きにより通貨の価値は、その国の金利や各経済指標などの実態経済の動きに合わせて、市場の経済合理性を価格に表すことができます。

ところが、仮想通貨ではマーケットメイクを需給に委ねるため、裏返せば、中央管理者が存在しないことで、マーケットは純粋な利得のみで動くことになります。価格を管理する主体が不在であり、特定の資産との交換が保証されていないことが多いことから価格の行き過ぎた変動に歯止めを掛けることができないのです。つまり、資産としての価値を見込まれなくなった仮想通貨は、需要が急激にしぼむことで底の見えない価格の下落も起こりうると言えます。

仮想通貨の価格保証という意味で議論されるのは、上記の点に集約されるでしょう。

法律、規制面の不確定要素

仮想通貨は、ここ2,3年のうちに急激に認知度が高まりました。そのため、世界的に法律や規制が曖昧な段階で取引量やビジネスが増え、その抜け道を利用した問題が散見されました。日本における仮想通貨に関する規制は、2016年5月25日に資金決済に関する法律:平成二十一年法律第五十九号(改正資金決済法)が成立するまで存在しておらず、ビジネスユースでも手探りでの運用であったことがうかがえます。

日本にて明文化された法律上の仮想通貨の定義は、2パターンあります。どちらかの要件を満たせば、仮想通貨にあたると解釈されます。

改正資金決済法では1号仮想通貨と2号仮想通貨に区分され、両者の主な違いは不特定の人との取引に利用できるかという点です。

定義の詳細については、「仮想通貨の種類を解説:ホワイトリストとは?」にて解説しています。

参考:資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)

以前は明文化された法律上の規制がなかったことから、取引所などの仮想通貨交換業者における不正を防ぐことが実質不可能となっていましたが、以下の内容が記載されたことで運営の健全化が図られました。

上記の仮想通貨交換業の運営におけるポイントとしては主に3つあります。

  • 事業運営のために仮想通貨交換業者の登録が必要

取引所をはじめとした仮想通貨交換業の運営を登録制とし、厳しい審査をクリアし内閣総理大臣の登録を受けた取引所のみが運営を許可されます。登録を受けた業者は、資金決済法の適用を受けながら操業することとなります。

具体的には、顧客資産の分別管理の観点から、利用者は専用の銀行口座の開設または信託銀行などとの信託契約が求められ、利用者財産と会社資産の分離を義務としました。

適切な運営がなされているかをチェックするために、会計士または監査法人による監査を受けることも必要です。利用者が安全にサービスを利用できるように、取引所に年一回以上の公認会計士や監査法人による監査を受けることを義務づけています。

  • 利用者の誤認防止と適切な情報提供

ユーザビリティーを確保するために、①利用者が仮想通貨と法定通貨の区別をしっかりとつけられているか、②手数料や契約内容についての情報開示が適切に行われているか、③振り込め詐欺などの犯罪行為が確認された際の取引停止措置などが明文化されているか、などの利用者保護に関する措置が求められます。

  • マネーロンダリング防止

犯罪収益移転防止法上の観点から、同法上の特定事業者として①取引時確認、②確認記録及び取引記録の作成・保存、③疑わしい取引の当局(金融庁・日本銀行)への届出、④態勢整備の4点が義務化されています。

日本以外の各国も、それぞれに仮想通貨関連の動きが活発化していますが、それらを統一する動きは未だ顕著ではありません。今後、国際基準化された規制のもと運営されることで、さらなる業務エリアの拡大が期待されます。

参考:仮想通貨交換業者に関する内閣府令(平成二十九年内閣府令第七号)

ハッキングによる資金流出

仮想通貨はインターネット上の資産のため、ハッキング被害についての話題が特に取りざたされます。日本でも、大手取引所であるコインチェックがハッキングにより、巨額の仮想通貨(NEM)を流出させてしまったことは有名です。また、中央管理者が存在しないため、ほとんどの場合個人間での取引でトラブルが起きた場合の保証がありません。

仮想通貨の流出は取引所のセキュリティに関する問題で、その脆弱性がハッカーの的になり、多額流出被害が起きてしまいました。

個人ができうる対策としては、自身の仮想通貨をハードウォレットやコールドウォレットなどのセキュリティの高いウォレットで管理することです。こういった対策は、利用者のある程度のセキュリティーに関するリテラシーが求められ、顧客資産を主に管理する取引所の一層のセキュリティ体制強化は急務と言えるでしょう。

また、ブロックチェーンそのものが攻撃を受けることもあります。コンセンサスアルゴリズム に、Proof of Workを採用しているブロックチェーンにおいては、51%攻撃と言われるネットワーク上のハッシュレートの50%以上を支配し、不正な取引が行われるという問題もあります(※1)。

このように、安全面での問題も指摘されており、取引所などのセキュリティ強化やブロックチェーン技術の発展が今後の課題の一つであると言えます。

※1 厳密には、ネットワーク全体のハッシュパワーやディフィカルティーの調整頻度、取引所のブロック承認数によって、仮想通貨(トークン)ごとのセキュリティにはバラツキがあるため、すべての仮想通貨(トークン)にこのリスクが事実上発生するわけではありません(理論上で起こりうる可能性をゼロとは言えません)。

詐欺事件による投資家被害

仮想通貨(トークン)を用いた新しい資金調達の方法として、ICO(Initial Coin Offering)というものがあります。

企業などの事業者側がプロジェクトを行うために、独自の仮想通貨を発行・販売し、投資家側から対価としてイーサリアムやビットコインなどの仮想通貨を受け取るといった資金調達のことです。従来のベンチャーキャピタルからの投資や、クラウドファンディングなどと比べ、事業者側から見るとハードルが低く幅広い投資家層から調達可能といった利点がありました。投資家側は購入した仮想通貨が取引所に上場し、通貨価値の上昇によるキャピタルゲインを得ることができるという利点があります。ICOは画期的な資金調達方法として注目されましたが、ICO詐欺(スキャム)による被害が頻発することでその評価に陰りが差します。

架空のプロジェクトを“確実に儲かる”“限定販売”などの言葉で投資家を刺激し、資金を集めてプロジェクトの打ち切りを行い行方をくらますといった事案が多発しました。詐欺でなくとも、事業者側の事業意欲に関係せず、結果的に頓挫してしまうプロジェクトが多かったことから、近年日本を含む各国ではICOに関する規制が厳しくなっています。日本では、第三者によるチェックや財務情報の開示など、ICO自体のハードルが上がり詐欺件数とともにICOの件数は減少傾向となっています。

また、ICOに代わり、STO(Security Token Offering:証券としての価値を持つトークンを用い行う資金調達)、IEO(Initial Exchange Offering:特定の取引所を介して行う資金調達)などの新たな資金調達方法も登場しており、今後の新たな仮想通貨(トークン)を用いた資金調達方法に期待が寄せられます。

まとめ

仮想通貨は革新的な技術を背景として、さまざまなユースケースが考案されてきました。既存の枠組みを変えるイノベーションとしての側面は今でも強く意識されています。しかし、現在の法律をはじめとする規制では完全に対応することのできない領域であることも確かであり、健全な市場の醸成という意味ではまだまだ伸びしろを残している状態と言えます。

規制サイドと開発サイドの折り合いをつけることは難航することが想定され、ここには利用者サイドの理解も必須であると考えられます。

自身が利用するサービスを正しく理解するという意味でも、不断の情報収集が求められるでしょう。

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