仮想通貨のコンセンサスアルゴリズムとは?:PoW・PoSの特徴を比較・解説!

コンセンサスアルゴリズムとは、ブロックチェーンに代表される分散型台帳技術(DLT:Distributed Ledger Techonology)上の取引承認作業における承認者間での合意形成方法のことです。つまり、どのように承認者(マイナーなど)が取引を繋いでいくかの方法を定義する部分となります。

非中央集権的な台帳管理がなされている取引の承認作業は、ネットワーク上の多数のノード(※1)に分散されており、ノード間の多数決で承認する取引を決める方法となっています。

コンセンサスアルゴリズムは様々な形態がありますが、ビットコインで採用されているProof of Work(PoW)のデメリットを補う形で続々と登場しました。

今回は、コンセンサスアルゴリズムのなかでも主要なPoWとPoSを比較しながらその特徴を解説します。

※1 ネットワークに参加しているPCや携帯端末などのこと

Proof of Work(PoW)

PoWは作業量による証明という名の通り、膨大な計算をもとにブロック生成を行うことで取引を承認するアルゴリズムを指します。

ブロックチェーンは、トランザクションの塊としてのブロックを鎖のように繋いでいくものです。PoWでは、ブロックチェーンにブロックを追加する際に、「直前ブロックのハッシュ値」、「ナンス値」、「追加するブロックの取引情報」が必要であり、この3つを入力値としてハッシュ関数に通すことで「追加するブロックのハッシュ値(※2)」が得られます。この「追加するブロックのハッシュ値」が次のブロックにとっての「直前ブロックのハッシュ値」となり、チェーンとして繋がっていくことになります。

なお、この計算の際にハッシュ値から入力値を逆算することはできないため、総当たり的に大量の計算を行う必要があり、ハッシュ値にあうナンス値を計算によって見つけることでブロックを生成するというプロセスを踏むのです。

そして、このナンスを探す作業のことをマイニングと呼びます。

マイニングでは、報酬として新しく作られたトークンとトランザクションの送信者が支払った手数料を得られるため、マイナーが取引を承認するインセンティブが生まれます。

こうしてナンス値を見つけ出すことで生成されたブロックは正当なブロックと定義され、他のノードが参照することができる取引記録としてブロックチェーンに同期されます。

ここで問題になるのが、ほぼ同時に生成されたブロックがあった場合ですが、各ノードはどちらも正当なブロックとして受け入れた上で、より長く続いたブロックチェーン(累積ディフィカルティーが最も高いチェーン)を正当なチェーンとして受け入れます。

※2 ビットコインでは、SHA256というハッシュ関数を採用しており、入力値の長さに関係なく256ビット(256桁)のハッシュ値を算出します。

PoWのメリット

  • 取引記録の改ざんに強い

過去の取引を改ざんするためには、その時点の取引のトランザクションを含むブロックを変更し、さらに現在に至るまでのブロックを作成し続けなければなりません。

つまり、PoWでは膨大な計算を必要とすることで、電気代などのコストが攻撃者にとって高くつくようになっており、取引を改ざんすることで得られるリターンより、マイニングによる報酬のほうが恩恵が大きくなるように設計されています。

  • 誰でも参加可能

実際にマイニングによる報酬によって利益を得られるかは別問題となりますが、参加自体は誰でも自由にすることができます。

PoWのデメリット

  • マイニングに掛かる時間やお金などのコストが高い

本格的に収益化を考えると、非常に多くの専用の機材(GPUやASICなど)による計算には、金銭的、時間的にコストが掛かります。また、マイナーが電気料金の安い国に偏る傾向があります。

  • 51%攻撃へのリスクがある

理論上、ハッシュレート(マイニングの採掘速度)の51%を占領すると取引の改ざんが可能となります。特定のノードがハッシュレートの51 %を支配し改ざんしたブロックを承認し続けると、そちらが正規チェーンだとみなされてしまうのです。

Proof of Stake(PoS)

PoSは、承認プロセスに当該トークンの保有量が関係しています。

トークンをステイクとして預託するために、取引所ではなく専用のウォレットにトークンを保有しておく必要があります。そうすることで、トークンの保有量と保有期間によりバリデーター(※3)が選出され、バリデーターが生成したブロックが承認されるとブロックチェーン上に追加されます。

つまり、トークン保有量が多く、保有期間が長い者がブロック生成者となり、報酬がもらえる機会が多い仕組みとなっています。PoWのようにマイニング報酬はなく、手数料のみが報酬として得られます。

PoWではマイニングと呼ばれていた一連の承認プロセスは、PoSではフォージング(鋳造)とも呼ばれます。

※3 PoSでは取引の承認者をバリデーターと呼びますが、マイナーと表現されることもあります。本稿ではバリデーターという表現で統一しています。

PoSのメリット

・PoWのコスト問題をクリアしている

承認作業が保有量を重要視しているため、PoWのような膨大な計算を必要としません。それにより、マイニングにより発生する電気代は掛からず、計算に必要な時間も比較的早くなっているため、コスト面の問題をクリアしています。

・51%攻撃に耐性を持っている

保有量による承認を行うPoSで51%攻撃を行うには、実際に総発行数の51%以上を保有していなければなりません。また、PoSではトークンを保有することで、バリデーターはその価格変動リスクを負います。ネットワーク自体にダメージを与えて価格を下落させかねない攻撃となるため、攻撃の経済合理性が薄いことも挙げられます。

PoSのデメリット

・流動性の低下

PoSでは保有量、保有期間により報酬を獲得する確率が上がるため、トークンを保有し続けることにインセンティブが働きます。そうすると、ユーザーがトークンを手放しづらくなるため、市場に出回るトークンの総量が少なくなり、需給のアンバランスや価格のボラティリティ上昇などが懸念されます。

・経済的に不平等

多くのトークンを保有することでブロック生成がしやすくなるため、経済的に豊かな者がさらに経済的に潤うという構造になってしまいます。

これにより、流動性の低下と合わせて、ユーザーの離脱が懸念されます。

PoSの問題点

また、PoSには下記2点の問題があります。

  • Nothing at Stake問題

この問題は、リスクを負わずに不正なブロック生成を可能にしてしまうというものです。PoWでは不正なブロックを含むチェーンを繋いでいくためには、ナンス値を探す一連の計算が不可欠であり、この計算によるコストが不正を防止するための機能となっています。

一方、PoSではブロック生成に掛かるコストが少なく、間違ったブロックを承認することへのデメリットがほとんどありません。バリデーターは報酬を得る可能性を高めるためにコストなど何も掛けず(Nothing at Stake)にすべてのブロック承認を行うことができてしまいます。

つまり、バリデーターにとって、分岐するチェーンのすべてを承認していくことが利益を最大化するための合理的な選択となってしまいます。

結果として、分岐するチェーンがすべて承認されてしまうとブロックチェーンが収束しにくくなってしまいます。

  • ロングレンジ攻撃

攻撃者が膨大な残高を持つ秘密鍵を過去に取得し、その時点からブロックチェーンを分岐させることで、メインチェーンを乗っ取ることが可能となってしまう問題です。過去時点で多くのトークンを保有することで、メインチェーンよりも速いペースでブロックを生成できる可能性があることから、この問題が指摘されています。

これらの問題を解決するための対策

イーサリアムのPoS移行計画である「Casper」の登場により、上記の不正行動は制限できると言われています。

Casperでは、不正なブロックを承認すると罰を受けるSlasher(※4)という仕組みを導入することにより、ブロックチェーンの分岐が起こりにくくなるようにすることが期待されています。

※4 懲罰的アルゴリズムのことで、メインチェーンではない間違ったチェーンにブロックを生成しようとすると、ステイクが没収されるという負のインセンティブが課されます。

まとめ

仮想通貨の重要な機構の1つであるコンセンサスアルゴリズムについて解説してきました。PoWとPoS共に、独自のアプローチにより分散型台帳の承認システムとして機能しています。経済合理性を基に運営体制を築くことで、中央集権に寄らないシステムの進歩が期待されます。

Casperのように、既存システムの課題解決を目指す新たな動きにも注目し、ブロックチェーンの進歩と共に仮想通貨の今後の動きにも期待が寄せられます。

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