「マイニング不況」GMOにも、ネットワークの安定に影響は?

11月の仮想通貨相場の急落に伴い、様々な国のマイニング事業者が撤退に追い込まれる事態が発生しました。

その影響は大手マイニング事業者にも波及し、今月には中国のビットメイン社が、イスラエルに持つマイニング開発センターを閉鎖することを発表しました。

こうしたなか、マイニングとマイニング機材開発、製造、販売を行う日本のGMOインターネット(以後GMO)*が25日、収益の悪化に伴い355億円を特別損失として計上する見込みであることを発表すると同時に、自社が手がけるマイニングマシンの開発、製造と販売から手を引くことを2018年第4四半期決済報告で発表しました。

*マイニングマシンの販売はスイス法人が行う。

理由としては、①足元の仮想通貨価格の下落、②それに伴うマイニングマシーンへの需要低下、③そして販売価格の下落による競争の激化があるとしており、当該事業に関連する資産を回収することが、外部販売では困難であると判断したようです。

GMOが販売していたB2とB3マイニングマシーンを巡っては、それぞれバイヤーのもとに届かないという異例の事態により顧客への返金対応をしていましたが、今回の発表でこれらのマイニングマシーンが顧客の手に渡る可能性がゼロになった格好です。

一方、昨年12月に開始した仮想通貨マイニング事業に関しては、「収益構造を再構築し、継続」することを発表しました。具体的には、より電気代の安い地域へのマイニングセンターの移転を念頭に置いているようです。

GMOは今月、自社が行うマイニングのハッシュレートを月末までに800PH/sまで成長させる目標を掲げていました。

800PH/sというと、現在のビットコインネットワーク全体のハッシュレートの約2%を占めることとなりますが、blockbhain.comによると、GMOは主要なマイニングプールと名を連ねるほどのハッシュレート規模を有していないようです(第1図)。

【第1図:ビットコインネットワークハッシュレートシェア】

出所:blockchain.com

しかし、GMOは11月の時点で700PH/s(0.17%)ほどのハッシュレートを有していたことから、現在も「Unknown」の上位に入っていることが指摘されます。

FinAltでもお伝えしてきたように、11月からのビットコインネットワークにおけるハッシュレートの下落は、マイニングの難易度調整が追いつかないほどの異例な急落となり、ネットワークの不安定化のみならず、すでにマイニングの損益分岐点付近で推移していたビットコイン(BTC)価格にさらなる売り圧力をかけたことが指摘されます(第2図)。

【第2図:ビットコインネットワークハッシュレート&ディフィカルティチャート】

出所:blockchain.comより作成

しかし、そんなハッシュレートの急落も、今月14日からは落ち着きを見せており、これにつられてかBTC相場も下げ止まり先週は反発をみせました(第3図)。

【第3図:BTC対ドルチャート】

出所:Trading ViewのBTC/USDチャートより作成

現在は、相場復調の兆しに加え、マイニングの損益分岐点が引き下がったため、ある程度安定してマイニングを行うことができる状況となってきているようです。そのため、GMOは電気代の問題が解決されれば自社マイニングに関してはこの先も収益を見込めると判断したと考えられます。

マイニング業界には不況の波が押し寄せていますが、ネットワーク安定化の観点からは、ビットコインは足元で持ち直していると推測されます。

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