Vol.27:FinAltウィークリーアップデート 仮想通貨価格と市場動向を徹底分析

仮想通貨市場

仮想通貨市場は今週、先週に引き続き大幅な下落を記録し、17日から現在までに344億ドル(-19%)下落しています(第1図)。

今週の週高値は19日の1874億ドルで、週安値は21日の1404億ドルとなっています。

2週間前までの方向感に欠ける相場は前ぶれもなく一気に弱気相場へ突入した格好となっており、14日の急落前から市場はおよそ600億ドルも吐き出しています(-29%)。

今週の注目ニュースとしては、①、仮想通貨上場投資商品の上場にスイスで承認、②市場横断的売り圧力が仮想通貨市場にも波及した可能性、③本邦国税庁が仮想通貨関連FAQと仮想通貨の計算書を公開したことなどがあります。

【第1図:仮想通貨市場時価総額】


出所:coinmarketcapより作成

世界初の仮想通貨ETPスイスで上場に青信号

17日、英国・ロンドンのFinTech企業Amunが手がける仮想通貨上場投資商品(ETP)「Amun Crypto Basket ETP」がスイスの証券取引所SIXに今週中にも上場されるとFinancial Timesが報じました。

同ETPは、ビットコイン(BTC)を中心にリップル(XRP)、イーサリアム(ETH)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)の5銘柄の価格と連動した金融派生商品となっています(比率はそれぞれ49.7%、25.4%、16.7%、5.2%、3%とされています)。

ETPでは、投資家は実際に基盤となる資産を持たずしてその資産へのエクスポージャーを得ることができるため、より広い投資家層からの仮想通貨参入を見込めるといったメリットがあると考えられます。

また、米国では、複数のビットコイン上場投資信託(ETF:ETPの一種)の承認が否決されているため、今回の仮想通貨ETP上場は、別国の話とはなりますが、前例となるため今後米証券取引委員会(SEC)の動向が注目されます。

市場横断的売り圧力仮想通貨にも

20日火曜日の金融市場は、Carnage(大虐殺)とまで言われるほど市場横断的に売り圧力が強まりました。

NYダウ工業株30やS&P500種はそれぞれ-2.21%と-1.82%の下落率を記録し、October Requiem(オクトーバー・レクイエム)とも呼ばれた先月の株式市場の記録的下落後の水準に近づけました。

その他、原油価格指標として用いられるNYMEX軽質スイート原油(WTI)先物も-6.9%と大幅下落、主要国通貨の為替レートも対ドルで軒並み下落しました(第2図)。

【第2図:JPY・EUR・GBP対ドル、主要株価指数、WTI、BTC・XRP対ドルチャート】


出所:Bloombergより作成

更に、セーフヘイブンとして代表的なゴールドすらも、こう言った市況にも関わらず伸び悩み、市場参加者にとって逃げ場のない厳しい状況となりました。

仮想通貨市場にも売りは波及したようで、前日、すでに170億ドルも吐き出していた市場時価総額は20日、更に140億ドルほど下落し、代表格のビットコイン(BTC)は一時4300ドル付近まで下げ足を速めました。

直近の市場のセンチメントやテクニカル的な材料を踏まえると、仮想通貨は既存金融市場でのリスクヘッジ手段として好まれる局面にあるとは言えず、10月ごろからは株価との正の相関が出てきたことが注目されています。

実需が確立されていない仮想通貨市場にとって、投機熱の後退と足元の景気失速感のダブルパンチは痛手となっていると言えるでしょう。

国税庁が仮想通貨所得の計算を簡易化する計算書を公表

21日には、国税庁が仮想通貨関係FAQを公表したと同時に、適正な納税義務履行を後押しすることを目的として「仮想通貨の計算書」を公表しました。

FAQでは、マイニングで得た仮想通貨の所得区分や、仮想通貨を使って商品を購入した際の所得計算法などが明記されています。

また、興味深いことに、ネットワークの分裂によって得た仮想通貨の所得に関しては、分裂の際に「取引相場が存しておらず、同時点においては時価を有していなかった」という理由で課税対象とならないとされています。

頻繁に仮想通貨の取引を行う方は、今回のFAQを一読し次の確定申告の際は計算書を活用することが推奨されます。

FAQと仮想通貨の計算書は国税庁の公式ホームページで閲覧、ダウンロードすることができます。

サマリー

冒頭でも触れたように、ここ2週間ほどで仮想通貨市場は大幅な下落を記録し直前のボックス相場を下方ブレイクした市場のセンチメントは「様子見」から「悲観一色」に転じています。

暴落の発端とも言えるビットコインキャッシュのハードフォーク騒動は依然終息しておらず、ビットコイン価格も年初来安値を更新するなど混乱は続いているようです。

ビットコインの対ドル相場は、先日の記事で触れた長期チャートで見た重要なサポートとなる4000ドル〜4500ドル水準をなんとか死守していますが、引き続き慎重を要する状況が続くでしょう。

【関連記事】
見えてきた底無し相場?ビットコイン相場を短期・長期チャートで比較

テクニカル分析

ビットコイン(BTC)の対ドル相場は、週末に一旦5000ドル付近で下げ止まったものの、19日、20日と週明けに続落。

4本の移動平均線はすべてデッドクロスを示現しています(第3図)。

20日にはRSIが10%付近まで下落し、現在も14%と「売られ過ぎ」のシグナルが出ているにも関わらず、相場の反発は確認されません。

現在、相場の移動平均線からの乖離率は-21.9%となっています。

【第3図:BTC対ドルチャート(13、21、34、55日移動平均線&RSI)】


出所:Trading ViewのBTC/USDチャートより作成

イーサリアム(ETH)の対ドル相場も週末には落ち着きを見せたものの、週明けは続落し足元177ドルで推移しています(第4図)。

18日には13日移動平均線が21日移動平均線を割り込んだことで、4本全ての移動平均線がデッドクロスを示現しています。

RSIは足元20%で推移しておりますが、こちらも相場の反発は確認されません。

相場の移動平均線からの乖離率は-29.3%とBTCのそれより大幅に乖離しています。

【第4図:ETH対ドルチャート(13、21、34、55日移動平均線&RSI)】


出所:Trading ViewのETH/USDチャートより作成

リップル(XRP)の対ドル相場は、14日の下落で21日移動平均線(0.485ドル)付近に終値を付け、週末は上昇に転じました。

しかし、週明けには他の主要通貨同様に下落し、相場は19日から20日の間で4本全ての移動平均線を割り込み0.443ドルまで下げ足を速めました。

本日22日には、13日移動平均線が21日移動平均線を割り込みデッドクロスを示現しています(第5図)。

RSIは現在42%で推移しており、移動平均線からの乖離率は-7%に止まっています。

【第5図:XRP対ドルチャート(13、21、34、55日移動平均線&RSI)】


出所:Trading ViewのXRP/USDチャートより作成

【前回までのFinAltウィークリーアップデート】
Vol.26:FinAltウィークリーアップデート 仮想通貨価格と市場動向を徹底分析
Vol.25:FinAltウィークリーアップデート 仮想通貨価格と市場動向を徹底分析
Vol.24:FinAltウィークリーアップデート 仮想通貨価格と市場動向を徹底解説

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