Vol.26:FinAltウィークリーアップデート 仮想通貨価格と市場動向を徹底分析

仮想通貨市場

今週の仮想通貨市場は、ビットコインキャッシュ(BCH)のハードフォークを巡る「ハッシュ戦争」の混乱に影響され、市場時価総額は14日から現在までに14%下落しています(第1図)。

今週の週高値は11日の2144億ドル、週安値は16日の1749億ドルとなっており年初来安値を更新しています。

今週の注目ニュースとしては、①国際通貨基金(IMF)クリティーヌ・ラガルド専務理事の注目発言、②BCHハードフォーク直前の仮想通貨市場ミニクラッシュ、③ハッシュ戦争の本格的な幕開けなどがあります。

【第1図:仮想通貨市場時価総額】


出所:coinmarketcapより作成

IMFラガルド専務理事、中央銀行による仮想通貨発行の可能性を支持

12日から本日16日までシンガポールで行われている「FinTech Festival」にて14日、国際通貨基金(IMF)のラガルド専務理事が登壇しスピーチの中で、中央銀行も「仮想通貨発行の可能性を検討すべきだ」と発言しました。

ラガルド氏は冒頭で「変化こそが唯一不変なものだ」と古代ギリシャの哲学者ヘラクレイトスの言葉を引用し、発展し続けるFinTech、仮想通貨、デジタル通貨はe-コマースの普及など変化の著しい現代消費者と経済のニーズに答えていると評価しました。

また、カナダ、インド、中国、スエーデン、ウルグアイの中央銀行が真剣にデジタル法定通貨の発行を検討していることを挙げ、こうした変化と新しいアイデアは金融包摂、セキュリティと消費者保護、そしてプライバシーの向上といった公共政策の目標達成に寄与するとポジティブなスタンスを示すと同時に、キャッシュレスが進む現代社会において中央銀行もこうした変化に適応していくよう模索する必要性があると指摘しました。

ラガルド氏は過去に「匿名性のあるビットコインのような仮想通貨は犯罪者やテロリストによって用いられている」と懸念を示していたため、今回の発言はサプライズとなりました。

IMFはラガルド氏のスピーチに先立って、中央銀行のデジタル通貨発行を査定するフレームワークを記した文書を12日に発表しており、IMFが本腰を入れてFinTechの可能性を模索していることが伺えます。

仮想通貨市場ミニクラッシュ:時価総額順位に大きな変化

14日夕方までの仮想通貨市場は2090億ドルから2144億ドルとかなり狭いレンジで推移しておりましたが、第1図を見てもわかるように14日午後6:00過ぎ頃から急落となりました。

FinAltでも先日お伝えした通り、要因としては、OKExでの突然のBCH先物取引停止と清算が大きかったと考えられ、ロングポジションの解消による現物市場での反対売買で売り圧力がかかったことが指摘されます。

仮想通貨時価総額は14日からの下落により2000億ドルを割り込み年初来安値となる1749億ドルを付け市場の悲壮感は加速しました。

今回の下落で時価総額順位に動きがありました。

リップル(XRP)はイーサリアム(ETH)の時価総額を追い抜き現在第2位に付けています。

XRPは、背後にあるリップル社の市場でのプレゼンスが上がってきていることもあり、下落局面でも比較的に良いパフォーマンスとなっています(後述テクニカル分析参照)。

一方のETHは、ICO市場の後退を背景に下落後も上値が重い展開となっています。

また、今月4日に順位を9位から10位に落としたテザー(USDT)でしたが、現在は他の通貨が時価総額を落としたことで8位に浮上しています。

しかし、USDTの順位浮上は、数あるステーブルコインの中で本通貨自体の信頼性や人気が向上しているということを示唆しているわけではなさそうです。

事実、USDT、TUSD、USDC、PAXの2018年10月16日を100とする標準化チャートを見ると、USDT自体の時価総額は横ばいとなっています(第2図)。

【第2図:USDT(緑)、TUSD(オレンジ)、USDC(青)、PAX(ピンク)標準化チャート】 
出所:coinmarketcapより作成

ステーブルコインは、その価値の安定性から仮想通貨のトレードでは激しいボラティリティのヘッジ手段として用いられますが、14日に時価総額を伸ばしたのはサークル社が発行するUSDCだったようです。

ハッシュ戦争開戦:形勢逆転でBitcoin ABC優勢か

日本時間今朝未明にはビットコインキャッシュネットワークのハードフォークによるアップデートが行われました。

市場の予想通りBitcoin ABCとBitcoin SVでチェーンは分裂、現在もハッシュ戦争が繰り広げられているようです。

昨日まではネットワークのハッシュレートの約70%を占めていたBitcoin SVでしたが、Coin Danceによると現在は形勢逆転となりBitcoin ABCが64%、Bitcoin SVが36%のハッシュレートのシェアとなっているようです。

このままいくと、Bitcoin ABCがBCHを受け継ぐ見込みですが、ハッシュ戦争は依然続いています。

Bitcoin ABCの開発者Amaury Séchet氏によると、Bitcoin SVを支持するマイニングプールCoingeekは、保有する巨大なハッシュパワーを現在使用していないようで、Bitcoin ABCのネットワークに攻撃を仕掛ける準備をしている可能性があると懸念しています。

Bitcoin ABCは現在、Bitcoin SVより35ブロック先に進んでいるようですが、Bitcoin SVの提案者でもありサトシナカモトを自称するクレッグ・ライト氏はツイッターで、「ハッシュ競争はマラソンであり、短距離走ではない」と主張しています。


この先もしばらくは目が離せない状態が続きそうです。

サマリー

全体的にハッシュ戦争の混乱の影響は後退をみせ、各主要通貨とも一先ず下げ止まったようです。

この先は現在の水準を「落ち着きどころ」とできるか、反発できるかが注目されますが、Bitcoin SVによるBitcoin ABCに対する攻撃などが実現すれば、ただでさえ神経質になっている市場を刺激し兼ねません。

テクニカル分析

ビットコイン(BTC)の対ドル相場は、11日に13日移動平均線を割り込むも、節目となる6400ドル付近で一旦下げ止まり12日、13日と若干の反発を記録しましたが、14日の下落で移動平均線から大幅に下方に乖離しました。現在の乖離率は-9.38%となっており、RSIは売られ過ぎとなる25%で推移しています(第3図)。

現在13日、21日、34日、55日移動平均線はすべてデッドクロスを維持していますが、相場は5654ドルで反発に転じており、この先は心理的な節目となる5700ドルや5800ドルが上値目途としてあります。

【第3図:BTC対ドルチャート(13、21、34、55日移動平均線&RSI)】


出所:Bloombergより作成

イーサリアム(ETH)の対ドル相場は、13日まで55日移動平均線(214ドル付近)と節目となる210ドルの水準で推移しましたが、14日にはすべての移動平均線を大幅に割り込みました(第4図)。また、13日に一時的に34日移動平均線を上抜けしゴールデンクロスを示現した21日移動平均線は、翌14日に再びデッドクロスに転じています。

現在、移動平均線からの乖離率は-10.6%となっており、RSIは32%と過熱感も確認されます。

本日の相場は、180ドル付近で反発に転じています。

この先は、節目となる190ドルが上値目途としてあります。

【第4図:ETH対ドルチャート(13、21、34、55日移動平均線&RSI)】


出所:Bloombergより作成

リップルの対ドル相場は、14日に0.506ドルから0.4ドルまで一時下げ足を速めたものの、終値は0.447ドルに付け翌15日には反発、現在は34日移動平均線の上抜けに成功しています。

この先は、21日移動平均線(0.476ドル)、55日移動平均線(0.480ドル)、13日移動平均線(0.493ドル)や節目となる0.5ドルが上値目途としてあります。

【第5図:XRP対ドルチャート(13、21、34、55日移動平均線&RSI)】


出所:Bloombergより作成

【前回までのFinAltウィークリーアップデート】
Vol.25:FinAltウィークリーアップデート 仮想通貨価格と市場動向を徹底分析
Vol.24:FinAltウィークリーアップデート 仮想通貨価格と市場動向を徹底解説
Vol.23:FinAltウィークリーアップデート 仮想通貨価格と市場動向を徹底分析

 

関連記事

おすすめの仮想通貨取引所 比較ランキング
  • 高い流動性と高機能なツールが優秀!

    取り扱い通貨
    手数料ビットコインの現物売買手数料無料
    セキュリティー顧客資産の分別管理、コールドウォレットのマルチシグ化
    取引所の
    信頼度
    資本金:約20億円(資本準備金含む)。日本仮想通貨事業者協会理事
  • 日本最大の仮想通貨の情報メディア

    取り扱い通貨
    手数料現物の売買は手数料無料で追証も無し、FXは0.1%
    セキュリティーシステムを複数層に渡って外部から遮断。内部への侵入が実質的に不可能な環境を構築
    取引所の
    信頼度
    資本金:3億8100万円。日本仮想通貨事業者協会理事
  • MT4導入で高機能な取引ツールを提供

    取り扱い通貨
    手数料現物、レバレッジ取引、FX全て無料
    セキュリティー金融商品取引業者と同水準のセキュリティを実現
    取引所の
    信頼度
    資本金:44億3,000万円(資本準備金含む)。
    親会社は上場企業リミックスポイント
  • 大手証券会社の取引所!アプリはクオリティ◎

    取り扱い通貨
    手数料現物、FXの手数料が無料!スプレッドは1200円前後
    セキュリティー預かり資産、仮想通貨の分別管理。ハッキング、内部不正対策を徹底
    取引所の
    信頼度
    資本金:17.58億円(準備金含む)。GMOグループ企業
  • アルトコインのレバレッジ取引が魅力!

    取り扱い通貨
    手数料現物、レバレッジ共に売買手数料が無料。入出金手数料も無料。ビットコインFXのスプレッドは1,900円程度。
    セキュリティー顧客資産(日本円及び仮想通貨)の分別管理し、毎営業日算定・照合。スマホアプリにも2段階認証を実装
    取引所の
    信頼度
    資本金:12億9000万円。FX企業大手のDMMグループ
仮想通貨取引所 比較
  • 1位
    Liquid
    取引できる通貨ペアは業界最多!高い流動性と高機能なツールが優秀。
  • 2位
    bitbank
    50種類を超えるテクニカル分析が可能な高機能な取引ツールを提供
  • 3位
    BITPoint
    トレードに便利な取引所を運営9種類の通貨ペアとMT4の採用
       
ページ上部へ戻る