Vol.23:FinAltウィークリーアップデート 仮想通貨価格と市場動向を徹底分析

仮想通貨市場

今週の仮想通貨市場時価総額は、2073億ドルから2120億ドルの比較的狭いレンジで推移しました(第1図)。

先週15日以降の相場はおおむね横ばいとなっております。

今週の週安値は20日の2073億ドルで、週高値は21日の2120億ドルとなっています。

今週の注目ニュースとしては、①金融活動作業部会(FATF)の仮想通貨の規制に関する新動向の発表、②雨宮日銀副総裁が中央銀行デジタル通貨発行に懸念を示す、③インターコンチネンタル取引所(ICE)の現物ビットコイン1日先物とBakktウェアハウジング・サービスのローンチ日発表、③ニューヨーク州金融サービス局がコインベースの信託会社にカストディ業務を許可、④本邦金融庁が日本仮想通貨交換業協会を自主規制団体として認定などがあります。

【第1図:仮想通貨市場時価総額】

出所:coinmarketcapより作成

FATF:仮想通貨の規制明確化へ前進

先週19日には、マネーロンダリング防止やテロ資金供与対策に関する国際的な規制基準を制定する金融活動作業部会(FATF)が主催するFATF WEEKが閉幕し、日本時間の20日には本イベントに関する声明と改訂版FATF Recommendations(FATF勧告)が発表されました。

FinAltでもお伝えした通り、今回のFATF勧告の改定により、仮想通貨取引所、一部の仮想通貨ウォレット提供者、そしてICO発行隊には所轄官庁からの認可取得または登録義務が発生する可能性が浮上しました。

また、FATF WEEK中に行われたFATF総会では、米財務次官補兼FATF会長のマーシャル・ビリングズリー氏が、来年6月までにFATFの規制基準をさらに更新しそれらの執行方針の指示を出すとの旨の発言をしたようなので、2019年は国際的な仮想通貨の規制が整っていくことが予想されます。

業界にとっては、規制の不確実性が発展の妨げとなっているという見解も多いため、来年は仮想通貨およびブロックチェーン業界のさらなる成長が期待されます。

2018年は、各国および政府間組織による仮想通貨の規制に関する動向が大いに注目され、重大発表があった際は相場にネガティブな影響を与えたケースも確認されましたが、今回のFATFの発表は特段大きな影響を与えず、市場に織り込み済みだったことが考えられます。

雨宮日銀副総裁 仮想通貨の普及に懸念示す

雨宮正佳日銀副総裁が20日、名古屋で行われた講演で登壇し仮想通貨に対する自身の見解を述べました。

雨宮氏は、仮想通貨が支払い手段として普及するには高いハードルがあると述べた他、日銀などの国家の中央銀行が仮想通貨を発行することに対しては、「金融安定や金融仲介に及ぼす影響について、慎重な検討が必要」としました。

このようなスタンスは、今年4月に国際通貨基金(IMF)、金融庁、日本銀行が共催したFinTechカンファレンスでも示されていました。

中央銀行は、支払決済手段の濫立とそれに伴う混乱を対処するために生まれた歴史的背景があり、また、民間銀行による当座預金の引き出しという信用創造活動を通じて実経済に資金を配分するという二層構造を構築し、近代通貨システムの信用、安定性と効率性を維持する役割を果たしています。

仮に、銀行券(法定通貨)がデジタル化されると、支払いのみならず預金までもがデジタル化される可能性があり、個々の企業や個人が中央銀行に口座を直接持つようになり、現行の通貨システムに大きな影響を及ぼしかねません。

初代仮想通貨となるビットコイン(BTC)を筆頭に、多くの仮想通貨ネットワークは支払決済における仲介者とそれに伴うコストを最小限に抑えるといった行動指針を掲げていますが、歴史が生み出した「知恵」である現行の二層構造を特徴とする通貨システムを代替することは簡単なことではないでしょう。

ICEBakkt:現物BTC1日先物とウェアハウジングローンチは1212

22日には、インターコンチネンタル取引所(ICE)が手掛ける現物ビットコイン(BTC)1日先物と、同社が傘下に置く仮想通貨プラットホーム「Bakkt」のBTCの保管を行うウェアハウジング・サービスのローンチ日が12月12日に予定されていることが公式通知で明らかになりました。

現在は米法品先物取引委員会(CFTC)からの承認を依然受けていないものの、仮想通貨情報サイトThe Blockの情報によると、早くて来週中にはCFTCから承認が下ると匿名の関係者が話しているそうです。

また、同サイトによると、ゴールドマンサックスなどの金融機関もBakktでの取引参入を考慮しているようで、取引から商品保管までが一貫してできるサービスは金融機関や機関投資家などの大口投資家を仮想通貨市場に呼び込む材料となりそうです。

コインベースが仮想通貨カストディーのライセンス取得:取扱通貨にはあの銘柄も?

ニューヨク州金融サービス局(NYDFS)は23日、米大手仮想通貨取引所コインベースの信託会社「Coinbase Custody Trust」に仮想通貨カストディー業務を行う許可を下しました。

今回、Coinbase Custody Trustがカストディーを許可された銘柄は、ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)、ビットコインキャッシュ(BCH)、ライトコイン(LTC)、イーサリアムクラシック(ETC)の6通貨となっています。

注目なのは、「証券か否か」という議論に米証券取引委員会(SEC)から明確な方向性が示されていないXRPがリストに入っていることで、今回のNYDFSの動向を受け、XRPが証券でないという可能性が色濃くなったと同時に、コインベースがXRPを上場させる可能性も浮上してきました。

ICEのBakkt同様、顧客資産を管理するカストディーは資産の窃盗や損失のリスクを軽減させるため、機関投資家の参入を促すには必要不可欠なサービスとなるため、両ニュースとも仮想通貨市場にとっては好材料となります。

金融庁が仮想通貨自主規制団体を認定

24日には、本邦金融庁が、日本で仮想通貨取引所を運営する企業からなる「日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)」を自主規制団体として認定しました。

JVCEAは、今年1月のコインチェック不正流出事件を受け今年3月発足され、これまでにシステムリスクに関するガイドラインや、マネーロンダリング及びテロ資金供与対策に関するガイドラインを発行してきました。

日本は国際的にも「仮想通貨規制先進国」として認識されていますが、規制環境が厳しい分業界の発展に懸念も示されます。

最も、今回の自主規制団体認定を踏まえ、金融庁は仮想通貨交換業の登録審査を本格的に進めていく方針のようで、この先は登録業者の増加と日本でのFinTechイノベーションの促進に期待が寄せられます。

サマリー

24日から25日にかけては、日経平均株価やNYダウなどの主要株価が下落しましたが、仮想通貨市場では今月11日のような顕著な下落は確認されませんでした。

直近では、主要仮想通貨は比較的狭いレンジで推移しており、短期的に方向感のはっきりしない相場となっています。

現在は、投機熱が冷め、仮想通貨の実需が乏しいためモメンタムが生まれにくい状況になっていることが指摘されます。

テクニカル分析

ビットコイン(BTC)の対ドル相場は、13日、21日、34日、55日移動平均線が収斂しており、短期的に相場は横ばいとなっています(第2図)。

本日は13日移動平均線が他3本の移動平均線の上抜けに成功していますが、明確なトレンドがない状況下での移動平均線は機能しないケースが多いため、注意を要します。

一目均衡表を見ると、足元相場は雲下限周辺で推移していることがわかります。

今週は雲の幅が狭くなっていたため、雲上抜けが期待されましたが、遅行線と均衡表が逆転したこともあって上値が重くなったことが考えられます。

【第2図:BTC対ドルチャート(13213455日移動平均線&RSI)】

 
出所:Bloombergより作成

【第3図:BTC対ドルチャート(一目均衡表)】


出所:Bloombergより作成

イーサリアムの(ETH)対ドル相場は、22日より緩やかな下落基調となりました。

しかし、下げ幅は足元4ドル(-2%)ほどに留まっています。

先週に引き続き、4本の移動平均線が全てデッドクロスを示現した状態を保っており、相場は「弱気」と言えるでしょう(第4図)。

【第4図:ETH対ドルチャート(13213455日移動平均線&RSI)】


出所:Bloombergより作成

リップル(XRP)の対ドル相場は、20日に21日移動平均線が34日移動平均線を割り込みデッドクロスを示現しましたが、心理的節目となる0.45ドルラインがサポートとなり今週は横ばいとなりました(第5図)。

また、この先は13日移動平均線の21日移動平均線上抜けが視野に入っています。

【第5図:XRP対ドルチャート(13213455日移動平均線&RSI)】


出所:Bloombergより作成

【関連記事】
ICEのBakktローンチ日確定?注目ビットコイン(BTC)先物の全貌
FATF仮想通貨の規制明確化へ前進:FATF勧告改定点を徹底解説

【前回までのFinAltウィークリーアップデート】
Vol.22:FinAltウィークリーアップデート 仮想通貨価格と市場動向を徹底分析
Vol.21:FinAltウィークリーアップデート 仮想通貨価格と市場動向を徹底分析
Vol.20:FinAltウィークリーアップデート 仮想通貨価格と市場動向を徹底分析

【参考リンク】
デジタル時代と中央銀行- 日本銀行

関連記事

おすすめの仮想通貨取引所 比較ランキング
  • 高い流動性と高機能なツールが優秀!

    取り扱い通貨
    手数料ビットコインの現物売買手数料無料
    セキュリティー顧客資産の分別管理、コールドウォレットのマルチシグ化
    取引所の
    信頼度
    資本金:約20億円(資本準備金含む)。日本仮想通貨事業者協会理事
  • 日本最大の仮想通貨の情報メディア

    取り扱い通貨
    手数料現物の売買は手数料無料で追証も無し、FXは0.1%
    セキュリティーシステムを複数層に渡って外部から遮断。内部への侵入が実質的に不可能な環境を構築
    取引所の
    信頼度
    資本金:3億8100万円。日本仮想通貨事業者協会理事
  • MT4導入で高機能な取引ツールを提供

    取り扱い通貨
    手数料現物、レバレッジ取引、FX全て無料
    セキュリティー金融商品取引業者と同水準のセキュリティを実現
    取引所の
    信頼度
    資本金:44億3,000万円(資本準備金含む)。
    親会社は上場企業リミックスポイント
  • 大手証券会社の取引所!アプリはクオリティ◎

    取り扱い通貨
    手数料現物、FXの手数料が無料!スプレッドは1200円前後
    セキュリティー預かり資産、仮想通貨の分別管理。ハッキング、内部不正対策を徹底
    取引所の
    信頼度
    資本金:17.58億円(準備金含む)。GMOグループ企業
  • アルトコインのレバレッジ取引が魅力!

    取り扱い通貨
    手数料現物、レバレッジ共に売買手数料が無料。入出金手数料も無料。ビットコインFXのスプレッドは1,900円程度。
    セキュリティー顧客資産(日本円及び仮想通貨)の分別管理し、毎営業日算定・照合。スマホアプリにも2段階認証を実装
    取引所の
    信頼度
    資本金:12億9000万円。FX企業大手のDMMグループ
仮想通貨取引所 比較
  • 1位
    Liquid
    取引できる通貨ペアは業界最多!高い流動性と高機能なツールが優秀。
  • 2位
    bitbank
    50種類を超えるテクニカル分析が可能な高機能な取引ツールを提供
  • 3位
    BITPoint
    トレードに便利な取引所を運営9種類の通貨ペアとMT4の採用
       
ページ上部へ戻る