世界同時株安とテザー問題で揺れた仮想通貨:パフォーマンスをチャートで比較

市場動向

仮想通貨市場は、月初、アルトコインのパフォーマンス不振もあり方向感を欠く値動きをしていましたが、直近1週間では仮想通貨らしいドラマチックな急降下と急上昇を記録しました。

周知の通りとは思いますが、下げ要因としては、10月10日のNYダウ平均株価下落を皮切りに発生した世界同時株安を受けたリスクオフの動きが仮想通貨市場にも浸食し、仮想通貨価格が軒並み急落した可能性と、上げ要因としては、14日にBloombergがテザー社が発行する米ドルの価値にペッグされたステーブルコイン「USDT」の担保性を懸念する記事を掲載したことにより、USDTから他の仮想通貨に逃避する動きが急増した可能性があります。

12日には一時2000億ドルの大台を割り込んだ仮想通貨市場時価総額でしたが、15日には一時2200億ドルを上抜けました。相場は足元落ち着きを取り戻し、2100億ドル台で推移しています(第1図)。

【第1図:仮想通貨市場時価総額チャート】

出所:coinmarketcapより作成

Bloombergが指摘する通り、ここ数日、USDTの価格は1ドル周辺のヒストリカルレンジを下方ブレイクしており、投資家からの信頼を徐々に失っていることが考えられます(第2図)。

テザー社を巡っては、これまでも発行されているだけのUSDTを担保する米ドルのリザーブ所在の有無が懸念されていました。また、10月2日には同社と提携関係にあったプエルトリコのノーブル銀行が、テザー社やビットフィネックスを含む主要取引先を失い同行の買い手を探しているとBloombergが報道したことで、懸念が再燃していました。

【第2図:USDT対ドルチャート】


出所:Krakenより作成

ボラティリティの激しい仮想通貨市場においてステーブルコインはトレーディングに大変役立つ通貨となります。今までは、テザー社が発行するUSDTが圧倒的な人気を博していましたが、先月には米仮想通貨取引所Gemini(ジェミナイ)、米ブロックチェーン関連企業Paxos(パクソス)、ゴールドマンサックスから出資を受けるCircle(サークル)がそれぞれ米ドルに1:1でペッグされた独自の仮想通貨を発行しました。さらに15日には、香港に拠点を置く取引所OKExが、GeminiのGemini Dollar(GUSD)、PaxosのPaxos Standard(PAX)、CircleのUSD Coin(USDC)、Trust Tokensが発行するTrue USD(TUSD)の4つのステーブルコインを上場させると発表しました。この先は、より社会的信用のある企業が発行するステーブルコインの台頭によりUSDTの地位が揺るぎそうです。

主要通貨相場動向

さて、ここからは主要仮想通貨銘柄(時価総額TOP5)が11日と15日に記録した値動きを分析して行きたいと思います。各銘柄ともとても似た値動きをしていますが、細かく見ていくとどの通貨のパフォーマンスが優れているかはっきりわかります。

以下、第3図から第7図を見ると、11日のビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、リップル(XRP)、ビットコインキャッシュ(BCH)、イオス(EOS)の対ドル相場は、いずれも下落していることがわかりますが、ETH、XRP、BCH、EOSが2桁台の下落率を記録した中、BTCは下落率を10%以内にとどめています。

BTCは、11日の下落率が5.04%と著しく低く、時価総額第1位の底力を見せつけています(第3図)。

また、BTCは15日の上昇率も上記通貨の中でも高く(+5.46%)、同日中に11日高値(6636.9ドル)の上抜けに成功しました。本稿執筆時点(15:00)で本日16日の相場も上昇を維持しており、大幅な下落を記録した11日の高値より+2.94%となっています(直前に記録した高値(安値)は上値(下値)目途になるため注目されます)。

【第3図:BTC対ドルチャート】


出所:Bloombergより作成

BTC以外の上記通貨は、依然11日高値を上回れずいますが、XRPに関しては本項執筆時点の終値(0.457ドル)が11日高値(0.462ドル)に最も接近しており、11日高値からの下落率は0.93%となっています(第5図)。

一方、XRPと時価総額競争を繰り広げているETHは、15日の上昇率は5.64%と高いものの、①11日の下落率が高かった(-11.54%)ことと、②12日から14日にかけて相場が横ばいだったことから、11日高値から本日の終値は依然-4.07%となっています(第4図)。

【第4図:ETH対ドルチャート】


出所:Bloombergより作成

【第5図:XRP対ドルチャート】


出所:Bloombergより作成

そして、足元一番パフォーマンスが上振れないのはBCHだと言えそうです。BCHは11日の下落率が13.57%と最も高く、15日の上昇率は終値ベースでわずか3.81%となりました(第6図)。

【第6図:BCH対ドルチャート】


出所:Bloombergより作成

時価総額第5位のEOSは、12日も続落となりましたが、15日の上昇率(5.93%)は一番高く、11日高値(5.92ドル)から足元-5.02%の水準で推移しています(5.63ドル)(第7図)。

【第7図:EOS対ドルチャート】


出所:Bloombergより作成

以上のように、短期的に見たパフォーマンスは、BTC、XRP、ETH、EOS、BCHと言った順番になるでしょう。

では、長期的なパフォーマンスどうでしょうか。第8図は上記5通貨を2月6日時点を100として標準化したチャートになります。2月6日は、1月8日の仮想通貨市場時価総額の過去最高値地点(8347億ドル)から相場の下落が止まった日となります。

【第8図:BTC(白)・ETH(黄)・XRP(緑)・BCH(桃)・EOS(赤)標準化チャート(2月6日を100として標準化)】


出所:Bloombergより作成

注目は何と言っても6月以降のBTCのパフォーマンスです。他通貨が下落する中、BTCは80の水準をなんとか死守しており、圧倒的なパフォーマンスを発揮しています。

また、XRPも9月中頃までは下位で推移していましたが、直近でパフォーマンスを向上させ、結果的に長期的に見ても3番目に良いパフォーマンスとなっています。

短期的なパフォーマンスと対照的なのはETHとEOSで、2月6日時点からETHは-74.2%と一番下落率が高くなっています。EOSは直近のパフォーマンスは優れないものの、長期的には2番目に良いパフォーマンスとなっています。

BCHは、短期的なパフォーマンスは一番低迷している上に、長期的にも4番目と低い順位となっています。

以上のことを踏まえると、BTCとXRPは総合的に好パフォーマンス通貨と言えます。BTCの相対的な安定性を考慮すると、BTCは仮想通貨の中で「安全資産」としての立ち位置にいると言えるでしょう。

新着記事

2018年10月15日 仮想通貨価格分析:ビットコイン(BTC)・イーサリアム(ETH)・リップル(XRP)

2018年10月15日 仮想通貨価格分析:ビットコインキャッシュ(BCH)・ライトコイン(LTC)・イーサリアムクラシック(ETC)

関連記事

おすすめの仮想通貨取引所 比較ランキング
  • 高い流動性と高機能なツールが優秀!

    取り扱い通貨
    手数料ビットコインの現物売買手数料無料
    セキュリティー顧客資産の分別管理、コールドウォレットのマルチシグ化
    取引所の
    信頼度
    資本金:約20億円(資本準備金含む)。日本仮想通貨事業者協会理事
  • 日本最大の仮想通貨の情報メディア

    取り扱い通貨
    手数料現物の売買は手数料無料で追証も無し、FXは0.1%
    セキュリティーシステムを複数層に渡って外部から遮断。内部への侵入が実質的に不可能な環境を構築
    取引所の
    信頼度
    資本金:3億8100万円。日本仮想通貨事業者協会理事
  • MT4導入で高機能な取引ツールを提供

    取り扱い通貨
    手数料現物、レバレッジ取引、FX全て無料
    セキュリティー金融商品取引業者と同水準のセキュリティを実現
    取引所の
    信頼度
    資本金:44億3,000万円(資本準備金含む)。
    親会社は上場企業リミックスポイント
  • 大手証券会社の取引所!アプリはクオリティ◎

    取り扱い通貨
    手数料現物、FXの手数料が無料!スプレッドは1200円前後
    セキュリティー預かり資産、仮想通貨の分別管理。ハッキング、内部不正対策を徹底
    取引所の
    信頼度
    資本金:17.58億円(準備金含む)。GMOグループ企業
  • アルトコインのレバレッジ取引が魅力!

    取り扱い通貨
    手数料現物、レバレッジ共に売買手数料が無料。入出金手数料も無料。ビットコインFXのスプレッドは1,900円程度。
    セキュリティー顧客資産(日本円及び仮想通貨)の分別管理し、毎営業日算定・照合。スマホアプリにも2段階認証を実装
    取引所の
    信頼度
    資本金:12億9000万円。FX企業大手のDMMグループ
仮想通貨取引所 比較
  • 1位
    Liquid
    取引できる通貨ペアは業界最多!高い流動性と高機能なツールが優秀。
  • 2位
    bitbank
    50種類を超えるテクニカル分析が可能な高機能な取引ツールを提供
  • 3位
    BITPoint
    トレードに便利な取引所を運営9種類の通貨ペアとMT4の採用
       
ページ上部へ戻る