Vol.17:FinAltウィークリーアップデート 仮想通貨価格と市場動向を徹底分析

仮想通貨市場

今週の仮想通貨市場時価総額は、12日に週安値となる1862億ドルまで安値を広げ、2000億ドルの大台を割り込みましたが、週終盤に巻き返しを見せ、9月8日を週初めとして現在は−1.1%の下落率にとどめております(第1図)。

今週の注目ニュースとしては、①欧州連合(EU)が一貫した仮想通貨規制の制定の見送り、②GeminiとPAXOSがそれぞれ米ドルにペッグされた仮想通貨をローンチ、③米連邦判事によるICOに証券法が適用されるか否かの判断などがあります。

【第1図:仮想通貨市場時価総額チャート】

出所:CoinMarketCapより作成

EU:一貫した仮想通貨規制見送り

先週のウィークリーアップデートでも告知した通り、9月7日から8日にかけてオーストリア・ウィーンで、欧州連合加盟国28カ国の財務相・中央銀行総裁による仮想通貨規制に関する会合が開かれました。EUには一貫した仮想通貨やICOに関する規制がないことから、今回の会合で更なる規制強化に向けて動くことが予想されていましたが、結果的に各国所轄官庁による更なる市場分析の結果を待つ形となり、EU内での一貫した規制の制定は見送りとなりました。

また、先週4日から5日にかけて中国・杭州市で行われた金融活動作業部会(FATF)のFinTech & RegTechフォーラムでも新たな動きはなく、国際的な仮想通貨の規制動向による市場への圧力は軽微なものだったと言えるでしょう。

この先、仮想通貨規制で大きな動きがあることが予想されるのは、10月11日にインドネシア・バリで開催予定の20カ国(G20)財務相・中央銀行総裁会議だと考えられます。

GeminiPaxosが米ドルペッグ仮想通貨発行のクリプトライセンスを取得

10日には仮想通貨取引所のGeminiと、itBitを運営するPAXOSがそれぞれ米ドルに1対1でペッグされた仮想通貨(ステーブルコイン)、Gemini Dollar(GUSD)とPaxos Standard(PAX)の認可をニューヨーク金融サービス局(NYDFS)から取得しました。

ステーブルコインというと、現在はTetherが発行するUSDTが人気を博していますが、リザーブの有無や相場操縦、さらにはマネーロンダリングに利用されている疑惑が浮上したこともありました。

今回、GeminiとPAXOSが通称「クリプトライセンス」とも言われるNYDFSの厳しい審査をクリアしたことで、「信頼できるステーブルコイン」が誕生したと言えるでしょう。NYDFSは10日、プレスリリースで両運営体に対し、それぞれのステーブルコインが不正等に利用されないよう厳しいモニタリングを実施していくと発表しました。

ボラティリティーが激しい仮想通貨市場では、仮想通貨の購入や一時的なヘッジにステーブルコインが利用されます。信頼できる運営体が発行するステーブルコインは市場参加者の活動をスムーズ且つ活発にする効果が期待されます。

米連邦判事ICOは証券法適用と判断:ICO市場に更なる打撃か

12日には、米ニューヨーク州・ブルックリンのRaymond Dearie判事が、不動産とダイアモンドの投資に裏付けされるとするトークンのICOに対し、本ICOプロジェクトが米証券法の適用範囲内だと判断しました。

米証券取引委員会(SEC)はICOを行う発行体に対し、同委員会への登録を呼びかけておりましたが、SECの忠告を聞き入れる発行体は少ないのが現状のようです。今回の判決により、ICOが証券であるという見解が有力となり、この先アメリカでICOを行うには高いハードルが設定されることが指摘されます。

CoinScheduleによると、2018年にICOで調達された金額は既に187億ドルを超えておりますが、月間調達額は減少傾向にあります(第2図)。3月と6月は異例な調達額となっておりますが、これはテレグラム(17億ドル)とEOS.io(41億ドル)が巨額の調達額を記録したことが原因となっております。特にEOS.ioに関しては、およそ一年間に及ぶICOを実施していたことからこれ程の調達額を記録できたと考えられます。

【第2図:2018年ICO月間調達額】

出所:CoinScheduleより作成

ICOによる調達額減少の背景には、①ICOを巡る各国の規制の不透明性、②仮想通貨市場時価総額(中でも特にETH)が下落していること、③そしてブロックチェーンを駆使したプロジェクトのアイデアがある程度出尽くしたことが挙げられます。

特に②に関しては、ICOの大多数がイーサリアムを駆使していることから、発行体による「売り圧力」が常に内在していることや、「ETHの下落」自体がICOへのイメージを悪化させていることも考えられます。

サマリー

今週12日までは、アルトコイン主導で相場が下落しましたが、13日からは軒並み反発しております。

しかし、殆どの主要通貨は依然底値圏を脱出できておらず、引き続き警戒を要するでしょう。

ビットコイン(BTC)の対ドル相場は9月6日に90日移動平均線と30日移動平均線を割り込み、8日には6113ドルまで安値を広げました(第3図)。その後は、12日まで重要なサポートとなる4月1日安値(6427ドル)と6月29日安値(5774ドル)の間で推移しましたが、13日には同水準の上限を上抜けし、BTCに関しては底値圏を脱出したと言えそうです(第4図)。

この先は、30日移動平均線(6650ドル)と90日移動平均線(6774ドル)が上値目途としてあります。

【第3図:BTC対ドルチャート(30、90、200、365日移動平均線&RSI)】

出所:Bloombergより作成

【第4図:BTC対ドルチャート②】

出所:Bloombergより作成

イーサリアム(ETH)の対ドル相場は、9月4日まで30日移動平均線の上抜けが射程圏内に入っていましたが、5日から12日まで大幅に下落しました。この間に心理的節目となる200ドルを割り込み、12日には167ドルの安値を記録しました。ETHが160ドル台で推移したのは昨年の7月以来となります。

RSIが30%以下で推移していたこともあり、13日には反発し再び200ドルラインを上抜けしました(第5図)。

この先は、心理的節目となる250ドルと30日移動平均線(259ドル)などが上値目途としてあります。

【第5図:ETH対ドルチャート(30、90、200、365日移動平均線&RSI)】

出所:Bloombergより作成

リップル(XRP)の対ドル相場は、9月5日に30日移動平均線と心理的節目となる0.3ドルを割り込みました。その後11日まで下落基調が続き、0.253ドルまで安値を広げました。

しかし、11日にはRSIが31%で推移し過熱感も確認されたことから相場が反発し、足元0.28ドル台まで回復しております。

この先は、心理的節目となる0.29ドルや30日移動平均線(0.314ドル)など密集する0.29〜0.314ドルが上値目途としてあります。

【第6図:XRP対ドルチャート(30、90、200、365日移動平均線&RSI)】

出所:Bloombergより作成

前回までのFinAltウィークリーアップデート

Vol.16:FinAltウィークリーアップデート 仮想通貨価格と市場動向を徹底分析

Vol.15:FinAltウィークリーアップデート 仮想通貨価格と市場動向を徹底分析

Vol.14:FinAltウィークリーアップデート 仮想通貨価格と市場動向を徹底分析

Vol.13:FinAltウィークリーアップデート 仮想通貨価格と市場動向を徹底分析

Vol.12:FinAltウィークリーアップデート 仮想通貨価格と市場同行を徹底分析

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