ビットコインキャッシュ(BCH)ハードフォークアップデートに異論続出:コミュニティーの今後は?

Bitcoin ABCのアップデートが問題の発端に

昨年の8月にビットコイン(BCT)のハードフォークにより誕生したビットコインキャッシュ(BCH)は、プロトコルのアップデートのため今年11月15日にハードフォークを予定しております。本アップデートは、今年7月11日にビットコインキャッシュネットワークのクライアント(サーバーよりサービスを受けるコンピューター、アプリケーション又はプログラム)を開発するBitcoin ABCにより発表されました(バージョン0.18.0)。

Bitcoin ABCの開発するソフトウェアは、現在およそ60%のノードによって利用されており、ビットコインキャッシュネットワーク上で一番多く使われております(第1図)。

Bitcoin ABC 0.18.0では主に二つのアップデートが実施されます:①オラクルを含むスマートコントラクトの実装をビットコインキャッシュネットワーク上で可能にすることと、②さらなるスケーリングを可能にすること。

一見すると、本アップデートはビットコインキャッシュの機能拡大と取引処理能力向上につながることから、ネットワーク全体にとって有益なものと思えますが、コミュニティー内ではBitcoin ABC 0.18.0に異論を唱える開発者やマイナーが多く、このままいくと最悪の場合11月のハードフォークによりネットワークが分裂する可能性が浮上しています。

【第1図:ビットコインキャッシュクライアント比率グラフ】

出所:Coindanceより作成

反対派の中心人物は「あの人」、、、

今回のBitcoin ABC 0.18.0アップデートに真っ先に異論を唱えたのは、クレッグ・ライト氏率いるブロックチェーン開発企業のnChainでした。ライト氏といえば、2008年にビットコインの構想となる論文、「Bitcoin: A Peer-to-Peer Electronic Cash System」を書いたサトシナカモトであると噂される人物で、そんなライト氏からの反発にコミュニティーは大きく揺れております。

参考記事:「元祖仮想通貨ビットコイン開発者の正体が判明?-革命的技術とその開発者サトシナカモトとは誰なのか?-

ライト氏は、オラクルが可能にする分散型予測市場に強く反対しており、ビットコインキャッシュはあくまで決済プラットフォームであるべきで、無許可のギャンブルに利用されるべきではないとしています。

そんなnChainは、8月16日に独自のアップデートプランとしてBitcoin SVというクライアントをローンチし、Bitcoin ABCとの対立姿勢を明確に示しました。

ビットコインキャッシュコミュニティー勢力図は一層複雑に

とは言え、ネットワーク上のクライアント比率の大半を占めるBitcoin ABCには支持者も多く、中国大手マイニングマシン開発企業Bitmainが運営する二つのマイニングプール、BTC.comとAntpool、さらにはViaBTCとBTC.topから支持を得ています。

一方のBitcoin SVは、現在0.74%の割合を占めており、ユーザー層はかなり小規模となっていますが、ネットワーク上で24%のハッシュレートを占めるマイニングプール、Coingeekより支持されています。

これにより、Bitcoin ABCには29%のハッシュレート、Bitcoin SVには24%のハッシュレートの後ろ盾がついていることなります(第2図)。

【第2図:ビットコインキャッシュハッシュレートドミナンス】

出所:Coindanceより作成

こうした中、クライアントのユーザー数第2位を誇るBitcoin Unlimitedが、ユーザーがBitcoin ABCかBitcoin SVかどちらか投票で決めることができる和解案を8月21日に発表しました。

しかし、こうした和解案が発表されて間も無く、Bitcoin.orgとBitcointalkのオーナーでその素性も未だ謎が多いCobra(コブラ)が和解案としてBitcoin ABCとBitcoin SV双方のアップデートを行わない、「Cobraクライアント」を8月24日に発表しました。Cobraによると、Cobraクライアントは合計で25%のハッシュパワーを既に味方につけており、著名仮想通貨取引所から引き続き「BCH」のティッカーを使用できよう合意も得ているようで、第3勢力として存在感を発揮しております。

事態収束未だつかず:コミュニティは今後どうなってしまうのか

約2ヶ月後に迫っているハードフォークアップデートですが、コミュニティー内ではどのアップデートを採用するか決着がついておらず、つい先日9月10日にはCoingeekのオーナーであるカルビン・アイヤー氏がブログで、昨今の「ハッシュ戦争」を全力で回避すると言いながらも、(Bitcoin ABCの)不必要なアップデートには賛成できないと自身のスタンスを明確にするなど、事態は収束に向かっていません。

そもそも、ビットコインキャッシュは、ビットコインコミュニティー内で将来の方向性に異論が生じたことで生まれたネットワークでしたが、こうした分裂の可能性が浮上すると、ネットワークのオペレーション自体が不安定と捉えられ信頼性も低下してしまいます。さらに、実際に分裂が起きるとすると、それぞれのネットワークの規模が現状よりも小さなものとなることから、セキュリティーリスクも増します。

今までにビットコインは、ビットコインキャッシュ以外のハードフォークによる分裂を経験しており、ビットコインゴールド(BTG)やビットコインダイアモンド(BCD)など、数多くの派生ネットワークを生み出してきました。ビットコインキャッシュに関しては、クリプト・ジーザスとも呼ばれるロジャー・バー氏が支持したことや、プロジェクトを支持する開発者やマイナーが多かったことから相応のネットワーク規模を有し、時価総額も上位TOP5につけることができましたが、そのほかのビットコインから派生したネットワークは比較的小規模なものにとどまっています。

一番ベストなシナリオとしては、何かしらの妥協案に各勢力が落ち着き、現在のネットワーク規模とレピュテーションを保つことですが、タイムリミットまでに事態を収束させることができるかコミュニティーの動向が注目されます。

 

参考記事:「ビットコインキャッシュ(BCH)とは?仮想通貨の将来性・取引所・チャート

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