金商法適用へ金融庁が検討開始:仮想通貨が金融商品となるとどうなるか

産経ニュースが7/3、金融庁が仮想通貨の規制に「金融商品取引法(金商法)」を適用させるか検討開始したことを報じました。現在、日本の仮想通貨交換業者は、昨年4月に施行された改正資金決済法によって規制されています。具体的には、金融庁への登録義務や情報開示の義務が課せられています。

また、今年1月のコインチェック不正流出事件を受け、金融庁は国内仮想通貨交換業に対する規制圧力を強化し、立入検査や業務改善・停止命令などの行政処分を行ってきました。

しかし、これだけの規制体制が敷かれているにも関わらず、6/22には仮想通貨交換業6社(bitFlyer、bitbank、QUOINE、BTCBOX、BITPOINT、Zaif)に対し業務改善命令が下るなど、仮想通貨取引所を巡る課題は改正資金決済法が施行されて一年以上経った現在も解決されておりません。背景にあるのは、人員不足や不十分なシステム開発などに起因する粗略な顧客資産管理体制や、マネーロンダリングや反社会的勢力による取引防止対策が取られていないことが主に挙げられます。

今回の仮想通貨交換業への金商法適用検討開始は、そのような現状の運営体制を抜本的に改善させ、投資家保護を強化しようという金融庁の目論見があります。

上記の産経ニュースでも解説されている通り、金商法は証券会社などに適用される厳格な規制であり、自社資産と顧客資産の分別管理は勿論、インサイダー取引禁止なども盛り込まれています。

また、実際に金商法が適用されると、仮想通貨は「金融商品」として明確に位置付けられます。こうなれば、現在の仮想通貨取引所以外にも、既存の金融機関も仮想通貨の取り扱いが可能となる上に、仮想通貨ETF(上場投資信託)などの組成も可能になると考えられ、取引高の増加など業界にとっては一見好材料と見受けられます。

しかし、懸念されることもあります。現在の仮想通貨交換業者が金商法による規制のハードルを乗り越えて運営を継続させていくことが可能かという点です。ただでさえ金融庁の基準に追いついていけていない業者が続出している現状で、人員やシステム開発などに十分な投資を行なっていけず、業務継続困難な状況もしくは停止に追い込まれるケースが出てくることも可能性としては考えられます。今後の取引所運営同行には留意が必要です。

一方で、規制の側面以外でも金商法適用の影響は波及することが考えられます。例えば、上記でも言及した通り仮想通貨が「金融商品」となると、現在の課税区分である「雑所得」が「申告分離課税」などに変更されることが指摘されます。

先日の記事でも触れたように、6/25の参議院予算委員会でも、仮想通貨の課税区分変更が議論されたばかりで、やはり今後の方向性としては、規制による市場の健全化と仮想通貨の投資価値安定、そして金融商品としての地位確立が有力視されるでしょう。

 

参考記事

 

仮想通貨取引所の行政処分と業界編成の可能性

日本の仮想通貨の税金に動きか:麻生太郎財務相の発言を読み解く

 

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