仮想通貨取引所の行政処分と業界再編の可能性

本日の日経新聞朝刊にも辛辣なタイトルの社説が掲載された仮想通貨交換業者に対する行政処分について解説します。

「登録業者」6社への行政処分

金融庁は今月22日、仮想通貨取引所を運営する6社(取引所名:bitFlyer、bitbank、QUOINE、BTCBOX、BITPOINT、Zaif)に対して一斉処分に踏み切りました。今年1月に外部からのハッキングにより顧客資産(仮想通貨「NEM」)が流出する事態を引き起こしたコインチェックの事件以降、投資家保護を図るため、規制強化が急務と判断した金融庁は、2月から順次立ち入り検査を行い、みなし登録業者を中心に「業務改善命令」や「業務停止命令」を出しました。

相場への影響

これに伴い、銀行取引ができない週末は下落しやすい傾向にある仮想通貨の相場は、行政処分が発表された直後の日曜日に、年初来最安値を更新し、ビットコイン対ドルは一時5700ドル台をつけるに至りました。本稿執筆時点でも好材料に乏しく上値が重く6000ドル台近辺で取引されている状況です。

行政処分の影響

今回の行政処分が特に市場にインパクトを与えたのは、既に金融庁から正式な登録を受けた「交換業者」が業務改善命令を受けたためです。これが示唆するところ、金融庁は今後、交換業登録制度の審査をより厳格化し、金融商品取引法に基づく「金融商品取引業者」(外国為替証拠金取引(FX)業者や銀行、証券会社等の金融機関が含まれます)と同等の体制整備を求める方向であると言えます。実際、行政処分に先立って、6/19の日経新聞では日本仮想通貨交換業協会(JVCEA)が策定中の自主規制ルールの骨子が一部掲載されました。

この動きは、2005年以前のFX業界が不信感に見舞われていた時を彷彿とさせます。金融庁による規制の動きが加速し、業界の自主規制ルールの整備が進むことは、仮想通貨市場の発展を阻害するとの声も上っており、慎重に進める必要があると思いますが、FX業界同様に、仮想通貨市場の信頼回復に繋がっていくと思われます。

行政処分の本質

そして今回の行政処分の内容に関して、日経新聞の社説でも触れられていた通り、投資家保護の観点から本質的な問題は顧客資産の安全・分別管理の脆弱性だと思われます。隣国の韓国でもハッキング問題が相次ぎ報道され、仮想通貨取引所のセキュリティ面の整備は世界的にも急務と言えます。また、一部の関係者だけが知り得る通貨に関する重要な情報を基にその通貨を売買して利益を獲得する不公正取引(インサイダー取引)も横行している可能性があり、自主規制による市場の健全化が求められます。

根深いのは「マネー・ロンダリング」

さらに、金融庁が最も頭を抱えているのは「資金洗浄対策(マネー・ロンダリング)及びテロ資金供与に係るリスク管理態勢の構築」や「反社会的勢力等の排除に係る管理態勢の構築」への対策だと思われます。

これらの不正送金問題はそもそも仮想通貨に限った話ではありません。2017年4月にマネー・ロンダリングを規制する「犯罪収益移転防止法」が改正され、金融機関の本人確認を含む取引時確認(Know Your Customer/KYC)がより厳格化されました。しかしノウハウ不足が生じやすい中小金融機関では、取引時確認の対応が十分でない可能性があることから、金融庁は来月7月にも、全地銀と信用金庫に対し一斉に資金洗浄・不正送金対策の調査を実施し、国際的な監視網の抜け穴がないか厳しく検証するとの報道もあり、問題の重さが垣間見られます。

仮想通貨市場で不正送金の問題がより重く捉えられているのは、「匿名性暗号通貨」の存在と言われています。匿名性暗号通貨は、送金者と受金者が誰なのか分からなくすることで、個人の匿名性を守るために開発された筈ですが、追跡が難しくなったことで、犯罪を監視する国家の統制が及ばず、悪用されるデメリットが顕在化してしまいました。

斯様な現状に対し、2018年3月開催のG20では、仮想通貨のマネー・ロンダリング対策に関する共同声明が採択されました。また、G20の声明に規準の見直し要請が含まれていたのを受け、日本を含む35カ国と2つの地域組織で構成されているマネーロンダリング対策を推進する政府機関「FATF(金融活動作業部会)」は6/12に、拘束力のない「ガイダンス(指針)」レベルから、加盟国の義務となる「スタンダード(基準)」となる規制の策定に着手し、遅くとも2019年中には実現させる見通しであることが報じられています。

仮想通貨取引所の今後

これらの問題に鑑みると、仮想通貨取引所の体制整備には大きな資本力が求められ、コインチェックがマネックスの100%子会社化したように、FX業者や証券会社等による仮想通貨取引所の再編・淘汰されていく公算も高いと考えられ、市場健全化にますます期待が寄せられます。

(アルトデザイン株式会社 葵)

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