第2回:バークレイズのプライシングモデルから読み解く仮想通貨市場サイクル

本記事は、バークレイズのアナリストチームによる、疫学を用いた仮想通貨市場サイクルを基に今後の市場動向を予想する2部作の第二回目となります。前回、「バークレイズのプライシングモデルから読み解く仮想通貨市場サイクル①」では、潜在的買い手と潜在的売り手比率の不均衡(潜在的売り手の増加)が、上値の頭打ちを引き起こし、市場に投機的売り圧力をかけるメカニズムについてまとめました。下図①〜②のように、「潜在的売り手(Infected)」が増え相場が落ち始めると、新規参入が見込めない状態となり売りサイクルが加速していきます。

図①

図②

そして前回、「先進国経済圏での仮想通貨の認知度はほぼ100%だ」と主張するアナリストチームのジョセフ・アベーテ氏は、今後2017に起きたような相場の爆騰は今後見込めないという予想をしたことを紹介いたしました。

今回はそんなアベーテ氏の結論と疫学的プライシングモデルに加え、去年からの市場動向を踏まえて今年の売りと買いのサイクルの転換点を予想していこうと思います。

 

売りサイクルの終わりを予感させる市場:Buy/Sellの均衡は戻ったか?

上昇・下落変動の強さを示すRSI (Relative Strength Index:相対力指数)を見ると、去年は圧倒的に「買い」が強く、オーバーボウト(買われ過ぎ)を示す、70%を超えた期間も多かったことが分かります(チャート①)。このことから、相場が下がり出した12月後半〜1月上旬にかけて、アベーテ氏が指摘した、「集団免疫閾値(この場合、潜在的買い手人口が著しく減少すること)」到達が去年末にかけて起きたと解釈できます。その後は、チャート②下部で示したように、殆どの日でRSIが50%を下回る「売りトレンド」に突入していることが確認できます。

チャート①

しかし、2018年第一四半期を独占した「売りトレンド」が、現在「潜在的買い手人口」の割合を元に戻している可能性が指摘されます。そんな兆候を予感させる動向が4/12日にありました。それまで27兆ドル圏内を推移していた相場が、瞬く間に30兆ドルの大台を突破しました。

直近では、4/11にRSIがおよそ1ヶ月ぶりに50%超えを記録。短期での「買い」が勢いを増していることが分かります。ただ、4/16現在、20日ボリンジャーバンドの上線を触れたところで、ビットコインの相場は下方修正を見せていて、完全なトレンドの転換とは言い切れない状況です。

しかし第一四半期でロウソク足の終値が上線を超えたのはこれが初めてで、4/14には、第一四半期で引いたレジスタンスラインも超えるなど、トレンド転換のシグナルが出ているとも読み取れます。

チャート②

理論的な話をすれば、現在、「潜在的買い手人口」の比率が、100%とは言えませんが、ある程度元に戻っていることになるので、好転シグナルが続くと、これから「買いトレンド」になる潜在性は充分にあることになります。また、アベーテ氏のモデルでは、「潜在的買い手人口」が固定されていますが、東南アジアやアフリカ諸国などの発展途上国でのユーザー増加が見込める事と、ビットコインのウォレット数が今年に入っても増加傾向にあることから、パイの大きさは事実拡大しています。

即ち、アベーテ氏が出した結論を覆す潜在性が、市場にはまだあるということになります。

そのほかに、4/16にはDerebitオプション市場のビットコイン・コールの取引が急増。極端な取引も発表されていて、トレンド転換が意識されていることが読み取れます。さらに、統計的に第二四半期は、ビットコインにとって上昇傾向が強くなる時期で、今年も投資家が相場の好転シグナルに目を光らせていることが指摘されます。以上の理由から、4月中に今までの「売りトレンド」が「買いトレンド」に変わる可能性が高いと言えそうです。

参考(AltDesign):
http://www.altdesign.co.jp/wp-content/uploads/2018/04/70a118e9e66b02a4eebc3b0df667d182.pdf

参考(Bloomberg):
https://www.bloomberg.com/news/articles/2018-04-10/bitcoin-is-a-disease-in-barclays-model-that-says-prices-peaked

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