コインチェックのハッキングからわかること:2014年マウントゴックス破綻事件との違い

皆さんご存知の通り、1月26日に大手仮想通貨取引所コインチェックから580億円分の仮想通貨ネムが不正送金されたことが明らかになりました。今回の事件の損失額は2014年のマウントゴックス破綻事件を上回る過去最高額となっておりますが、4年前のマウントゴックス破綻事件とは市場の反応が違う印象を受けます。

マウントゴックスの破綻は仮想通貨市場に大きな影響をもたらし、ビットコインの暴落を引き起こしました。コインチェック不正送金が起きてから今日までも仮想通貨市場ではどの銘柄も価格下落が見られていますが、この原因は他にもあるように思えます。

今回はここ一週間の仮想通貨市場の動きを読み解くと同時に、マウントゴックス破綻事件が起きた2014年と市場がどれだけ変化したか比較していきたいと思います。

 

現在の価格下落はコインチェックが原因ではない?

まずは、2014年に起きたマウントゴックス破綻事件後の値動きを見てみましょう。払い戻し停止措置直後からの断続的に下落していることが分かります。

2014のビットコインのチャート(ドル)   

一方で先月のコインチェック不正送金事件直後の取引価格を見てみると、直接的にネムに大きな影響を与えているようには見えません。むしろ26日から28日にかけては上昇傾向でした。ビットコインの取引価格に関しても、ちょうど26日から急降下しているわけではありません。

市場全体を見ると、およそ28~29日の間から下落傾向が見られます。これはコインチェック不正送金騒動が直接的な原因と見るより、先週アメリカとインドで起きたある出来事が原因と考えられます。

ネムのチャート(ドル)

ビットコインのチャート(ドル)

ここ一週間で世界の仮想通貨の動きとして顕著だったのは、アメリカの商品先物取引委員会(CFTC)がBitfinex(ビットフィネックス)とTether(テザー)に対し召喚状を出した事が挙げられます。テザーはドル建てのトークンで、ドルの代用通貨として人気が出ていました。ですがその価値を保証するドルのリザーブの所在がつかめず監査についても詳しい状況がわかっていない事が公になりジワジワと市場に影響を出しているとBloombergは伝えています。

さらに2月に入って市場に打撃を与えたのはインド金融当局の動向です。インド金融大臣のアルン・ジャイトリー氏が、仮想通貨は法的な通貨ではないとの声明を2月1日の木曜日に出しました。内容的には仮想通貨にはかなり厳しいもので、ブロックチェーンを活用した決済システムの導入は念頭にあるものの、それ以外での仮想通貨とICOの規制をどんどん進めていくとの事でした。

以前お伝えした通り、仮想通貨への規制には仮想通貨に正当な金融商品としての信用を持たせる効果も期待できますが、今回のように強い規制への動きが見られると取引価格を大きく左右する変数にもなり得ます。また、インドは世界仮想通貨市場の10%を占めるマーケット規模があるので、今回の声明は取引価格へ大きな影響があると思われます。

参考:ピーク時の約50%を一時は割ったビットコイン:仮想通貨市場で今何が起こっているか

 

マウントゴックス破綻当時とは市場が違う

上記のことを踏まえると、4年前と比べマーケットが多様化したことが事後の市場への影響の出方に変化をもたらしたと思えます。まず4年前ではマウントゴックスがほぼ唯一の大手取引所であった事と、仮想通貨の銘柄もビットコインが唯一のメジャーな投機先であったことが取引価格に大きな影響を与えた原因だと言えます。

実際にcoindeskによると、マウントゴックス破綻事件の被害総額は仮想通貨アセット全体の5%にも相当する一方、今回のコインチェック不正送金では仮想通貨アセット全体で見ると0.25%程度の額という計算も出ています。つまり被害総額は今回の方が大きかったものの、市場自体への影響を見ると4年前より小さいという見方もできるということです。

現在では4年前のようにマウントゴックスが一人独走するという状況ではなくなり、複数の大手取引所が多様な銘柄を取り扱うことにより投機先を分散しながら市場が大きく成長したということになります。

 

仮想通貨の知名度は上がった

また今回のコインチェック不正送金事件では、事後の対応がマウントゴックスと比べ速やかに行われていることに関しても4年前とは大きな違いを感じます(実際払い戻しのめどは立っていませんが、何かしら策を取ろうとしていることはわかります)。

参考:コインチェック不正アクセス問題:騒動の流れと今後の対応は?

そして何よりグローバルな視点から見ると、今まで多くのハッキングに悩まされてきた仮想通貨市場において、仮想通貨のプロトコル自体への信用はもうハッキングで大きく揺るがされないようになったような印象も受けます。

4年前のマウントゴックス破綻の際は、ビットコインの知名度も低かったためハッキングによりビットコイン自体にネガティブなイメージがついてしまいました。しかし現在ではブロックチェーンを用いる仮想通貨のプロトコル自体への信用は根付いてきて、ハッキングが起きるのは仮想通貨自体の問題ではなく取引所のセキュリティの問題であるという理解が広まってきているように思えます。

 

まとめ

以上のように仮想通貨市場の多様化に伴いハッキングによる市場への影響が4年前のマウントゴックス破綻事件の際より顕著ではなくなりました。しかし今回のコインチェックの件で取引所に伴うセキュリティ問題がさらに浮き彫りになり、セキュリティ・インフラの改善がより一層重要視されるようになりました。また今回のコインチェックの件で金融庁が業務改善命令を出すなど厳しい対応を取っているのは、ユーザー数が増えて投資家保護の重要性も上がってきていることがあると思われます。

先ほども述べたように現在では取引所も増え、銘柄も増えてきています。「コインチェック不正アクセス問題:騒動の流れと今後の対応は?」でも紹介しているように、自分でできる対策としては利用する取引所を分散させたり、投資する銘柄も分散させることがあります。このように市場が変化していく中で、自ら率先してできるセキュリティ対策はしっかりしておくことをお勧めします。

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