仮想通貨と社会-第1回:仮想通貨の存在意義を考える-

 

ビットコインや他の仮想通貨への注目度は言うまでもなく今年に入ってからうなぎ登りしています。ただ、この注目の矛先はどうも間違ったところに向いているようにも思えます。メディアでよく目にする仮想通貨ニュースと言えば、取引価格の高騰、またはたまにある下落の話が多いような印象を受けます。今回はそんな仮想通貨のもたらし得る政治、経済、社会への影響を紹介して、読者の方々の注目の矛先を少し「通貨としての仮想通貨の存在意義」にシフトしていただけたらなと思います。

 

今や民主主義は世界的にもスタンダードな政治システムになっていますが、金融はどうでしょうか?私たちの使う通貨は中央銀行によって管理されていて、その中央銀行は最終的には政府の支えがあるものです。記憶に新しいのは20072008にかけて起こった一連の金融危機とその後のアメリカ政府の対応です。当時のバラク・オバマ大統領は議会の反対を押し切って諸金融機関への緊急援助を採決しました。そんな決議に「民主的ではない」との国民からの反発も当然あり、2011に抗議運動団体のOccupy Wall Street(ウォール街を占拠せよ)が発足されたりもしました。

その点、仮想通貨が駆使するブロックチェーン技術は理論上完全にP2PPeer to Peer/ピア・トュー・ピア:「対等者から対等者へ」の意味)、つまりユーザー同士が自由にシステムを管理し合う体制になっています。取引の整合性はマイナーたちの間で民主的に決められ、政府や金融機関の意向に左右されない。まさに金融の民主化とも言えるでしょう。ただ勿論これは理論上の話で、実際に現状では仮想通貨の取引自体に慎重な姿勢を見せる国がほとんどで、規制あるいは禁止をする動向は世界中で見られています。つまり今の段階では常用通貨としての普及の兆しがなかなか見られない状況なのです。

今はもっぱら投機目的として仮想通貨を「使う」人がほとんどなのですが、もっと注目をして欲しいと思うのは仮想通貨誕生の経緯。投稿先となったcryptographyの哲学的存在意義は置いておいて(上記に通ずるものがあると思える)、そもそも事の発端となったサトシナカモトの論文にもあるように、仮想通貨の主な目的の一つは二重支払いを防ぐことと、従来それにかかっていた費用を限りなくゼロにすることです。二重支払いとは、ネット上で取引されるお金のデータが再び使われることを指します。現在クレジットカードを使ってネット上で買い物をする際はクレジットカード会社や金融機関が私たち消費者と商品やサービスの提供者の間に仲介に入り、信用の問題を解決しています。この際、提供者側はその仲介機関に手数料を払わないといけません。そうすると最終的に商品やサービスの価格に影響が出てきます。仮想通貨はそんな三角関係のしがらみから消費者と提供者を解放させてくれる可能性を持っています。今まで信用で繋がっていたこの三角関係は、暗号理論によって仲介者がいなくなり直線関係になるのです。それによって、提供者が消費者と限りなくゼロに近いマージナルコストで取引ができるようになります。マージナルコストとは、ある商品を生産するために算出されている費用以上にかかるコストのことで、生産者が金融機関に払う手数料や物流にかかるコストなども入ります。

 

21世紀に入り、インターネットが普及しCollaborative Commons(コレボレーティブコモンズ)と言われるネット上で商品やサービスを限りなくゼロに近いマージナルコストで展開する経済モデルが広まってきました。今やネット上で音楽、動画、時事情報に知識といったものが企業から消費者、またエンドユーザー間で提供、または共有されるようになりました。ここに仮想通貨が普及すればより一層マージナルコストを削減することができ、その利便性をさらなる経済活動に結びつける可能性は十分にあるのではないでしょうか。

イタリアの経済学者パオロ・タスカは2015年に私たちはe-ファイナンスの時代を去りP2Pファイナンスの時代に突入しようとしていると主張し、将来現金への依存は仲介業者と共に徐々になくなると予想しています。しかし、仮想通貨が真に通貨として受け入れられるには、タスカ氏本人も言うようにまだまだ法的そして政治的ハードルが山ほどある。ただ、今ボラティリティのみで話題になっているように見える仮想通貨ですが、その誕生の経緯や実際の利便性は現代人の経済活動に沿った実質的なメリットを有しています。また、その政治的存在意義を考慮すると、このまま終わってしまっては実に勿体ない革新的技術ではないでしょうか。理想論だけでは世界はなかなか動いてくれるものではないですが、そもそも仮想通貨には上記のように今の社会をより良いものにしていこうとする動機があるのです。

参考:Cryptography

参考:Digital Currencies: Principles, Trends, Opportunities, and Risks

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