マウントゴックスの破綻 -480億円のビットコインの消失-

2014年、計114億円相当のビットコインが消失し、当時世界最大の取引所であったマウントゴックスが破綻した事件。

事件の犯人は誰なのか、消失分の補償はあるのか、また今後このような事件は起こりうるのか。事件の真相について解説します。

 

マウントゴックスとは?

マウントゴックスとは、東京都に拠点を構えるビットコイン取引所のことです。 2009年にトレーディングカードのオンライン交換所として設立されたものの、その後ビットコイン取引所に事業を転換。そして2011年には創業者のジェド・マケーレブが、マルク・カルプレスに事業を売却しています。 譲渡後も事業は成長を続け、2013年4月には世界のビットコイン取引量の70%を占めるまでになっていました。

 

取引所破綻までの経緯

この事件は、結論から言うと、マウントゴックスの社長であるマルク・カルプレス氏による横領が原因であるという線が有力ですが、確固たる真相はまだ不明です(2017年11月現在)。 というのも、当のマルク・カルプレス氏はビットコインの消失を「外部からの攻撃によるもの」としており、2017年7月11日の東京地方裁判所における初公判では起訴事実を否認、無実を主張しているからです。マルク・カルプレス氏を犯人だとして断定しているような記事も多いものの、証拠も少なく、当局の捜査も難航しているようですので、判決が出るのはまだ先のことになる可能性が高いです。

事件の発端

前述のように、マルク・カルプレス氏によるマウントゴックス買収後から取引所の規模は拡大していき、2013年4月には全世界のビットコインの取引量の70%を占める世界最大の取引所となっていました。 しかし、WIRED誌によると、同年11月にはマウントゴックスによるビットコインの払い戻しの遅延が報じられていました。 遅延は数週間から数ヶ月ほどで、この記事によればマウントゴックスは「法的問題からアメリカ合衆国のバンキングシステムから事実上凍結されている」とされています。

参考:WIRED『THE RISE AND FALL OF THE WORLD’S LARGEST BITCOIN EXCHANGE』

ビットコインの消失・取引所社長の逮捕

2014年2月7日、「通貨プロセスの明白な技術的視点を得るため」として、同社によるすべてのビットコインの払い戻しが停止されました。 つまり、この時点での同社の言い分としては、これはあくまでマウントゴックスの問題ではなく、ビットコインの技術的な問題であると主張してたのです。 2月17日のプレスリリースでも依然としてセキュリティ問題に取り組んでいると発表。 しかし、2月23日にはマルク・カルプレス氏はビットコイン財団の取締役を辞任しており、25日にはウェブサイトにて「当面、全ての取引を停止する」と発表しています。 この時点で事実上、顧客への払い戻し見込みが無いことは市場で織り込まれる形になっていたと言えるでしょう。 2月28日に、同社は東京地方裁判所に民事再生法の適用を申請。つまり、これがマウントゴックスの破綻となります。 合計85万BTC(当時のレートで約480億円相当)と現金約28億円が消失したと報じられています。同社は「サーバーがハッキングされどこかに盗まれた」と主張しましたが、警視庁の調べでは、内部関係者が「抜き取った」疑いも出ており、2015年9月、マルク・カルプレス氏は業務上横領罪などで起訴され、現在も裁判は継続中となっています。

 

債権者に対する補償はどうなっているのか?

先述のように、大量のビットコインと経営資金を消失した上で破綻したマウントゴックスは、債権者への払い戻しはほぼ不可能とみられていました。 しかし、直近のビットコインの暴騰でその状況は依然と異なった様相を呈しているようです。

ビットコイン暴騰による全額補償の可能性

2017年7月10日付けの朝日新聞では、以下のように報じられています。

”2014年に経営破綻(はたん)した仮想通貨ビットコインの取引所「マウント・ゴックス」(東京)を巡り、債権者への配当をコインで行うことが検討されている。 同社の資産のうち、コインの価値は破綻時の5倍に急騰し、債権総額456億円を上回っている。企業倒産に詳しい専門家は「聞いたことがない」としている。”

参考:朝日新聞『ビットコインで債権者への配当検討 破綻時より価値5倍』

この報道によると、2014年のマウントゴックス破綻当時、会社に残った資産が20万BTC残っていました。これを当時の価値に直すと約120億円ほどで、一方、債権者への払い戻しは約456億円ほどあり、満額返済は困難とされていました。 しかし、その後ビットコインの価格が暴騰。この記事の7月時点では約600億円相当になり、ビットコイン支払いでの満額返済が可能になったのです。 普通、企業が破産した場合に債権が満額償還されることはほぼないのです、この返金は異例中の異例といえます。

 

次のマウントゴックス事件は起こりえるか

ビットコイン(仮想通貨)の投資家として、この事件から学ぶべき教訓は、『仮想通貨を保有する上でのウォレットの重要性』だといえるでしょう。 自分の資産は自分で守る必要があるということです。 マウントゴックス事件の原因がマルク・カルプレス氏による意図的な不正だったとしても、ハッカーによる攻撃だったとしても、交換したビットコインを自分の手元でしっかりと管理していれば被害を被ることはなかったでしょう。 ビットコインを中心に仮想通貨の取引が広がる中で、利便性・堅牢性の高いウォレットも出てきているので、仮想通貨で真剣に資産運用を考えている人は、このような未曽有の事態に備えて「自分の資産をどう守るか」考えるべきでしょう。 最後のまとめに入る前に、直近で、第2のマウントゴックス事件になるのではないか?と目されているニュースをご紹介します。

参考:Medium『The Mystery of The Bitfinex/Tether bank, and why this is suspicious』

ここでは、ビットコイン対米ドルの取引量で世界一の仮想通貨取引所であるBitfinex(台湾)において、利用者の出金が遅延しているということが報じられています。 今回の報道は、同社が扱うTetherという仮想通貨に関するものです。 Tetherはブロックチェーンで稼働する、法定通貨と1対1の価値を持つ仮想通貨です。この通貨の価値の裏付けとなっている資産が、同社におけるレバレッジ取引の証拠金として利用されているのではないか?という疑惑が出ています。 疑惑の真相に関してはまだ分かりませんが、「規模の大きな取引所における返金の遅延」という点ではマウントゴックス事件と共通しています。 急速に普及し始めている仮想通貨ですが、やはりまだ確立された技術ではないので、日々のウォッチが欠かせないでしょう。

 

まとめ

以上がマウントゴックスの破綻事件の経緯になります。要約すると

◆マウントゴックス破綻の原因は、「マルク・カルプレス社長による私的な横領」であるとされ、ビットコインの技術的な問題ではなかった。

◆被害者となったマウントゴックスの債権者には、債権の全額が補償された。

◆安全性の高いウォレットを用いるなどして、自分の資産は自分で守るという姿勢が大事。

というようにまとめられると思います。 重要なのは1点目です。この事件が発覚した時期はまだビットコインもそれほど有名ではなく、マウントゴックスの破綻が発覚した直後は、ビットコインのセキュリティの脆弱性に問題があるという報道がされました。 いまだにマウントゴックス事件を引き合いに出して、ビットコインを批判する記事も散見されますので、その点はしっかりと区別をつける必要があります。

 

 

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